今さら 日イのはてな

「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

インドネシア投資環境、ありがとう。

Feb. Indonesia topics
インドネシアの範たる政策
2/11 オムニバス税法を国会提出。投資促進、法人税下げ、個人源泉地課税、仕入れ税の
クレジット合理化、投資優遇整備、配当再投資免税、地方税合理化など
2/25 オムニバス雇用機会創出法:低所得層向け住宅、建築許可の廃止、AMDALの見直し、外国人アパート許可などの案。上記他首都移転、製薬 の4つのオムニバス法。
2/19 EV優遇より排気ガス税の課税:財務相発言。甘味飲料にも課税立法化
2/24 コロナウイルス:感染未だ僅少、武漢・2隻クルーズ船・日本人関連のみ、無人島などで経過観察など予定。食品輸入制限も。

企業ストラクチュラル戦略
2/5  バイオ・ファルマ、国営製薬持株会社に、キミアとインドファルマが傘下、先月は6社国有企業再編に着手、国有ホテル統合なども
2/11 ジャルム、通信塔相次ぎ買収、インドサット1千塔やエクセルからも1,728塔。
2/12 ブカシ・ファジャール、マンション2 棟着工、複合開発への移行図る。
2/19 大型IPO続く:メトロ・ヘルス1.1兆、アディ・コミューター2.5兆、
第Vプルクブナン秋口1.5兆、ソフテックス下期予定で6.85兆、

いつもの大口等記録
2/3  住友林業熊谷組シナールマスとクニンガン複合開発へ、投資約1.5億ドル
2/19 フリーポート、電気銅などスメルター建設に6億ドル準備、今年8月着工へ。
2/21 アジア・パシフィック・レーヨン、工場開所、投資11兆、さらに20兆増強計画。
2/24 西ジャワ州政府、コーヒーの専用カフェ、世界20都市に開設したいと州知事
2/25 新首都:30万人の建設ワーカー必要:  孫さんなど諮問会議
2/25 丸紅、シロアム・インターナショナル・ホスピタルズに出資約50%。
2/24 米の相殺関税制度における発展途上国リストからイ外される、確認中。

ジャカルタ・東京ゴミの埋め立て地を訪ねて

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Bantar gebang
ゴミの埋め立て地の事をTPSP(Tempat Pengolahan Sampah Terpadu)或いはTPA(Tempat Pembuangan Akhir最終廃棄地)というが首都ジャカルタのTPSPはブカシのボゴール寄りの山地にある。確かブカシ市とジャカルタ市で紛争事となっていたが、何せ見事さ世界一というだけあってNatioanal Geographicに報道されてからというもの、世界の耳目を集める(sorotan)である。
小生の地図探しではCileungsi河の上流あたり、Curug Parigi(パリギ滝)辺りでBantargebangという地区である。もとは個人のKurniaとZaelani Zaingが持つ110haであったが、1985年から市が所有する事となりゴミ捨てに使用されてきたようだ。ここになった決め手はこの地は多くの池があったからのようだが、既にここのゴミの量は3,900万トン、ゴミ山の高度は40メートルに達しており、毎日7,000トンが廃棄されれば、この土地はあと3年で限界に達するとみられている。解決策としてこれらを今からMiningを行い、それにより余裕地を広げ浚渫したゴミは石炭代替の燃料として使う話もある。何故海岸干拓ではないのかとか色々難しいが、とにかく有限には変わりがない。

f:id:nishimikyohei:20200226154819p:plain東京の場合は東京湾を埋め立てて来た歴史がある。島造りの歴史は江戸時代の日比谷湾の埋め立てから、月島、晴海、豊洲、お台場と沖に押し出して来、ごみ捨ての話は昭和40年代は新木場の夢の島から50年代はゴルフリンクス若洲、60年代は中央防波堤の内側から現在は広大な中央防波堤外側或いはその新海面処分場が使用されている。ここの残余年数は30年とか言われていたが、焼却灰化が進み少し伸びている事実もあるが有限は有限である。

都ではここが最後の埋め立て場だと言っているが何故その先の海上はないのか、とかジャカルタの問題に戻って、なぜジャカルタ湾の海水上昇対策の島作り干拓には使えないのかは、文化系の小生を超える問題である。 いずれにしても有限の物はゼロにしない限り解決策はないものだと理解する。そういえば今日、JALと丸紅主導によるプラごみの航空機燃料化のプロジェクト推進の報道があった。

海洋汚染ランキングとプラステック課税、日イの差

ジャカルタとバリの省令によるレジ袋禁止に続く話として、スリ女史大臣は全国に適用される法律として人体に及ぼす汚染に対する課税制度を提案した。

まず廃プラスチィック問題に対しては、関税総局が生産者と輸入者にkg当たりRp30,000 の課税を行うことにするが、これによりプラスチック袋換算では、1枚のコストがRp500(4円)程度となる。これによりプラスチック消費は50%削減され、且つ1.6兆ルピアの税収となるそうだ。インドネシアは世界で2番目の海洋汚染国で、プラステック排出は年1.3百万トン。その内70%が埋め立てに廻り15%が河川・海洋放棄となり10%程度がリサイクルされるとも報道に言う。
同時に大臣は化石燃料からのCo2 削減の為、電気自動車以外の車両に複数・多重課税する計画で、また糖尿病(diabetes)に対して甘味飲料にも課税することの立法化を進めると報じられた。
JP誌だったと思うがこれだけのことで、1.3百万も少なすぎると思ったので、他の情報を探ると世界のプラごみの海洋投棄は、ジョージア大学の調査では、1位の中国が8.82百万トン、2位のインドネシアは3.22百万トンが海洋に行くと発表されていた。これだと海洋放棄の比率が非常に高いことと推定される。

最近の日本の統計ではプラスチック生産量は9.4百万だがその時、0.8百万がロスとなるそうだから生産に廻るのは8.6百万、生産したものは消費排出されるのでこれが廃棄量と理論的に一致する。このプラスチック廃棄量の処分は日本ではサーマル処分という区分の焼却が57%の5.3百万で、リサイクルが25%、未使用18%である。リサイクルの内中国などへの輸出が17%もあるので本来のリサイクルは8%に過ぎない。サーマル処分というのは発電や熱回収されるものである。未使用の区分に入るのは18%で、多分ここにもろもろの焼却残滓と共に埋め立てにされる埋め立て処分がはいるのだろう。

日本の統計の処分形態の中には海洋投棄とかはない。生産量と上記処分量の差があればそれが無断放棄から海洋汚染につながるのであるが、同じ量で有るので海洋投棄も発生してない理屈になる。
しかし 埋め立てであっても、プラごみはいつか溶け出し、流れ出すように、生産と処分量の見えない差も、事実としてとして川から海へと流れだすのであろう。日本も海洋汚染ランキングではちゃんと顔をだし堂々第30位である。

インドネシアの処分には河川・海洋処分の区分が堂々とあるのは、余りに正直すぎるが、

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TPST Bantar Gebang max031 googlemap
かように、海洋汚染第2位で、また埋め立て地が埋め立てでなく巨大な山塊となっている問題もあり、インドネシアは今、日本の例を学んでいるようだ。多分、分別回収とかサーマル処分技術が優れているのであろうか しかし、本来のリサイクルは低い率であるので、威張れるものではない。むしろ課税などインドネシアの方が進んでいる。

追:2019年のインドネシアのプラスチック消費量は5.9百万と報道された。(2020年1月)

資源問題はゼロが目標

Zero emission for plastic

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recycle?
プラごみの行き先で、日本では大半が焼却されるのでリサイクルはまやかしだとレポートしたが、それはForbes誌の夫馬氏の論文「世界基準からズレた日本の「プラごみリサイクル率84%」の実態」が下敷きになっている。細かな表現で異なるかも知れないが、世界はr-PETの時代だそうだ。
市のごみ処理のサイトを見ると「プラスチック製容器包装類」として分別回収したあと、中間業者がPETボトルとその他に分け、このPETのみ(?)「日本容器包装リサイクル協会」にリサイクルを委託する動画が紹介されている。協会の名前に包装とあるが問題のレジ袋は余り明確ではないが、多分その他と共に製鉄炉に入れて焼却されるようで、ここでゴミがコークスとなると屁理屈を言っているようである。
国全体の統計からは別の物質にリサイクルする率は13%のみであることや地方市町村で燃やすゴミに分別することもあるので夫馬論文は正しいと言える。そしてこの焼却は地球温暖化問題の他に、一寸昔はダイオキシン問題で大騒ぎしたことを忘れていた。この問題は焼却で出る量の削減対策が効を奏したのか、或いは体内摂取される量の危険度合の見方の変化で収まった形であるが、それはごみの焼却を野放図に認める理屈にはならない。
地球温暖化やごみ問題を問題化にすること自体を批判する、大人たちが堂々と表に出て来たがるが、毒性物資の地球上の堆積は事実としてあるのであるから、今の人間たちが出来る対策は批判したり、否定する事ではなく、地球に良いことなら何でもやってみることが重要である。

しかしながら、今日もあちこちでゴミ回収車に出会うが、従事する人達の働きぶりには感謝する毎日である。 今の夜の中で一番偉い人たちのひとりだと思う。

環境問題はゼロを目標とするものである。出したごみは回収し、伐採したパームは植え戻す、剪定で枯らした植木は再植樹する、取った石油は戻してほしいものだ。

そういえば昔インドネシアで、あれだけ購入し集めたインドネシアポップなどのカセットは、
プラスチックではなく燃やすゴミに分別されることを今日知った。

レジ袋禁止!日イのプラごみ対策

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ジャカルタでは永くくすぶっていたレジ袋禁止令が出され7月から実施されることになった。小生はもう何年もスーパー・コンドミでの買い物バックは持参しており、こういう動きに対して何とも動ずることはないが、実際禁止を想像すると、実は自室のゴミ箱への内袋として使用していた部分もあるので、これもなくなるのだと、その先を想像していると色々と問題があることが想起されてくる。自室のごみは更に炊事場の生ごみなどと一緒に市が使用を強制する大型プラ袋に入れて捨てるが、その大袋を使用するにはスーパーのレジ袋で小袋に入れながら貯めて行くので、これがないとなると居間の隅に置いている市・強制の袋に生ごみなど直接入れて部屋が臭くなる姿が浮かんでくる。新聞紙でも代用するとして、その前にこの行政府が強制するプラ袋自体がその処分が問題となる訳だが、この段階ではプラスティック製品と生ごみは分別処理されるので、この家庭排出の流れでは行き先は、少なくとも海洋に投棄されるはずはないので、めでたしx 2と第一次結論的には方が付くことになる。
海洋投棄されるような場合、クジラなどが消化できず死に至る無残な話は、良く知っているが、それ以上に、プラごみは破砕されても超微細なミクロの単位で地球上から消えることはなく、人間の口に戻ってくる話であるから、我々一人一人はその恐ろしさを肝に銘じて決められた処分法を守ることが重要である。
日本では7月から有料制にするという。禁止にせよ、有料にせよどちらも消費者個人に迫る政策であり、産業界の対策がそれ以上に問題にされねばならない。
こうした廃棄プラステックは日本では殆どが焼却処分らしい。燃えにくい生ごみと一緒に燃やすと石油系の廃プラは火力が増すとか、製鉄プロセスの石炭と燃やす補助剤にもなるとか、この焼却を、リサイクルにカウントしている日本政府のリサイクル自慢は、まやかしである。焼却処理は毎年襲ってくる天候災害の地球温暖化を元凶の一つになるのである。つまり、ジャカルタも日本政府もレジ袋を海洋汚染だけに焦点を合しているだけでそれは環境問題対策の一部に過ぎなかったのである。
理屈や言い訳はいいから、政府や産業界は、分解性プラスティックの製法開発やバイオマス・プラスティックの普及に成果を上げること、或いは、リユースや リプロデュースと云う本来のリサイクルを高めて行って欲しいものである。

日イのベンチャーキャピタル競演

VC, Venture, Startup
シンガポールのギャラント・ベンチャーズはバタムの工業団地を保有しているがむしろサリムグループのインドネシア向けの投資を目的としたホールディング会社である。このベンチャーとはベンチャーキャピタルに通ずる面があるが、日本語でのベンチャーキャピタルWikiをみると “ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のこと。主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下する。経営コンサルティングなどを提供し、投資先企業の価値向上を図る企業も存在する。”とだけあるが、設立手続きまでの記載はない。実際は広く一般市民から資金を集めるようなジャンルなど別に規則があるが、ある意味では自由であり、商社などの一般企業や銀行証券などの金融部門、その他個人設立など数多くのキャピタルがある。日本のベンチャーキャピタルの走りと専門性から言えば“ジャフコ”が有名である。
インドネシアは1990年代の規制緩和の一つとしてノンバンクが緩和されその中でリースや割賦販売を含めベンチャーキャピタルもその一つとして登場した。定義のさわりの投資の面ではギャラントもそういうことになるがこの場合はグループのホールディング企業の形態をとる。余り分類してみても我々にとって余り意味はなく、所謂、投資ファンドが “ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資”の入り口になろうか
インドネシアのニュースからVC参加企業を拾うと
*日鉄ソリューションズ、東南アジアで初のベンチャーキャピタルへの出資、スター
トアップ企業へ投資。(6/18,2019)
*アジャイブ、ソフトバンクの韓国VCやSBVKなどから計210万ドル調達、オンライン投資信託サービスの強化・改良へ。
等があった。

インドネシアベンチャーキャピタルは当該専門規則にのっとって、最低資本金(合弁の場合300億ルピア)、10年内上場等の条件をクリアして設立され、定款には、ベンチャーキャピタル活動のみを目的とすることが要求される。従い一般のノンバンクはこれを除く4つの業種(リース、割賦、ファクタリング、消費者金融?)を複数で行うマルチファイナンス業として活動している。従いベンチャー・キャピタルについてのニュースで登場するキャピタルの名前ではなじみのあるものは知らない
ちなみにMost Famous Venture Capital in Indonesiaを 探すとサイバーエージェントベンチャーズとグリー・ベンチャーズの名前が出ていた。これらは日本のベンチャーキャピタルインドネシア進出法人であった。

上記のアジャイブをNNAから更に補足すると;インドネシアフィンテック企業アジャイブは、ソフトバンクが100%出資する韓国のベンチャーキャピタル(VC)、ソフトバンクベンチャーズ(SBVK)などから計210万米ドルの出資を受けた。ほかに、シンガポールのインシグニア・ベンチャー・パートナーズや米Yコンビネータ、地場アルファJWCベンチャーズなどが出資したことになる。アジャイブ創設者はアンダーソンCEOで、投資信託の購入者に各種サービスを提供するアプリの運営を手掛ける。。。。
さて 孫以外に何か知り合いをイメージできますか。 まあ我々は、投資信託にアクセスするのが近道でそれが入り口である。
ベンチャーキャピタルをあえて日本語にすると起業投資となろうか
ベンチャーとはチャレンジ的冒険家であるが、冒険するのは日本語では主として投資する側を意味するが、英語ではされる側である。つまりスタートアップ企業と比較される側であるが、Btraxのペイジにスタートアップとは “新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体”とある。ベンチャーの優等生になろうか

追補;VC 関連記事の追加として2018年
3/22 YJキャピタル(Yahoo)とイースベンチャーズ(個人系)、シナールマスと共同で投資ファンド「EVグロース」立ち上げへ、200億円規模。というのもあった。これも日本のVCである。

大林組とギャラント・ベンチャー(サリム)

Gallant Venture

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1月のトピックスで、ギャラント・ベンチャー大林組との、太陽光水耕栽培の可能性調査の話は、大企業たる大林組の社会貢献事業とも評価され、その高邁な理想の追求は大林組のホームペイジにも、「COMPACT AGRICULTURE」 構想として紹介されている。
これこそ、日本企業が外国の大企業に声をかけてリードするという、あるべき日本の模範である。その事業はインドネシアビンタン島で、熱帯気候に適応した高度に環境制御された太陽光型植物工場で、ミニトマトと葉物野菜の栽培により高品位作物の安定大量供給をめざし、近隣地区への輸出・販売を狙うものである。
その相手ギャラント・ベンチャーは、インドネシアのトップ・コングロマリット企業のサリム・グループの子会社であるが、シンガポール政府系企業(Sembcorp)との合弁のシンガポール上場企業であり、日本企業が進出しているバタム工業団地Batamindo Industrial Park(320ha or 550,000sqm 二つの資料より )とBintan Industrial Estate(270ha or 100,000sqm)を保有運営している。バタムは1980 年代からシンガポ ールとインドネシア両国政府の開発協力体制の下、輸出志向型産業の経済特区として開発されてきたもので日本企業30社を中心に全体で70社程度が操業して、ビンタンには吉川製作など進出している。工業団地の他に、電気通信サービス、電気・水道・廃水 管理サービス、リゾート&ホテル運営、不動産開発を手掛けている。
Gallantによるインドネシア事業投資案件は100社規模である。サリムの主要事業は、インドモビール、インドフード、インドセメン、インドシアール、インドマルコなどがある。インドマルコポーロとすればよかった。