今さら 日イのはてな

「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

INPEX マセラ鉱区取得の偉大さ

Great Masera/Abadi


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Gas field Abadi from TribunBisnis
つい先週6月16日、インドマルコの時事ニュースに「INPEX、マセラ鉱区LNG田開発・プラント建設計画でイ政府と正式合意、投資200億ドル規模、来年後半の生産開始が見込まれている。」という報道があった。200億ドルとは大きな金額であるが、年間のLNG生産量は約950 万トンで、日本の輸入量の1割強に相当するという画期的な権益である。2010年には生産に着手し、2055年まで自主精算できるわけでその鉱区の大きさは2,503km2、小生スタイルで比較するとBSDの42個分、或いはパリ市の20倍、バリ島の約1/2の大きさである。


f:id:nishimikyohei:20190624140207j:plain場所アラフラ海のど真ん中、チモールと豪州ダーウインの中間点の海底となる。Shellとの合弁で日本側が65%を抑えている。
素人ながら数字をいじってみるとLNGの1トンは約10.5バーレルとのことだから、9,500,000トン x 10.5 Bl /365=273,000バーレル/日となるのだろうか。この点を探るために数字集めなどをした結果
1. 経産省の日本の石油・天然ガスの自主開発引き取り量は、H29年時点で石油換算で145~153万バーレル・日である。これは総需要の27%である。逆算すると総需要(=総輸入)は558万BDとなる。
2. 経産省エネ庁の別の報告資料では2015年原油輸入は337万BDでインドネシア比率は1.7%、自主開発輸入は8,505万トンでインドネシアの比率は6.9%である。
3. 上記2は原油のみとして、且つ年度の差は無視して、337万BDと558万BDの差はガスとすると、ガスの8,505万トンは同様 10.5 Bl /365 =245万BDとなる。おおむね一致する。
4. 上記2の8,505万トンに対しマセラは950万トンならそれは11%で報道と一致する。その時インドネシア全体が6.9%ならマセラはその時のインドネシア全体のLNGに匹敵或いはそれより大きい数字である。又LNG全体245万BLの11%は上記273,000BDと一致する。ここまででの結論は、マセラの950万トン=27万BD=石油ガス総輸入558万BDの5%、にもなるということである。更に色々先を考えると疑問は尽きないがブログでやるテーマではないのでここで筆を置く。