今さら 日イのはてな

「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

ロシアの忘却の植民地シベリア

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タイガは要らんかね~



あれは2月の終わりだったのだろうか TVから流れた“モンテンルンパの夜は更けて”のメロディーに思わず口ずさみ、そしてあと一つシベリア抑留の話があるのを思い浮かべたが、あの都市名が思い出されずそのままになっていた。
その頃Youtubeで2.26事件のドキュメンタリーを見ていたのか、最後はモンテンルパの荒地の刑場で野草の露と消された山下奉文大将が思い起こされ、今日又ウイキペデイアで不運な大将の毅然たる時世の句に涙があふれてしまった。
そうこうして、なんとか今日シベリアの都市名ハバロフスクを思い出しその抑留の歌ラララ・ハバロフスク(河の流れはウスリー江)と異国の丘(我慢だ待ってろ 嵐が過ぎりゃ。。)が流れて来る。この時の嵐は長く、最後の方が帰還する11年間で6万人の抑留者が死亡しているのだ。
このシベリア(広義)は今プーチンが隠れたウラール山地から東へオホーツク海までの地球最大の忘却植民地で面積は13.1百万km2で日本の36倍である。特に極北に向かうツンドラ・タイガ地帯は永久凍土を含む未開拓地で、強制労働の流刑地となっていた。第2次大戦以降だけでも捕虜にした総数が390万人、内1949年時点で57万人が死亡(ドイツ人5.5万人、日本人上述)しているのである。少し歴史を紐解くだけでロシアによる欺瞞と残虐で散華した命に唖然とする。
プーチンは何を勘違いしているのか逆上しているのか、とにかくここで文章を続けるのも嫌になるが、今日シベリアに小生の眼が行ったのは、なんとかプーチンの眼を、この忘れかけた広大な植民地に向けさせたい思いがあったからだ。一旦植民したこの土地を忘れて、まだ人の土地をとる性癖はどうしたことだろうか。
今回のウクライナ侵攻は、古い過去を逆さに取った正義感に陶酔しながら四面楚歌の孤立化の不運を嘆いた自暴自棄の行動でもある。世の中に神も認める正義はないし、一人の人間のそれは勘違いである。
四面楚歌の元凶は、正にそこにあり、それを自国民にすら強権で押し付けるそのプーチニズムこそがNatoの旗を降ろせ得ない理由なのだ。
帝政ロシアの旗や赤い血と鉄斧旗を平和な旗に変えて、話あうなら応じよう。平和の為なら武器よさらばは当然なのだが。