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「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

クンチャナの水力発電

インドネシアでクン チャナ・エナジー・レスタリ社が、2025 年までの設備投資で200 メガワット水力発電に640 億円を計画しているNNAのニュースがあった。北スマ、南スラの3ケ所でそれぞれ90MW、75MW、35MWの出力である。同社は2008年設立し2019年に上場、今回東電子会社と提携するもののようだ。

クンチャナと言うのは我々にはスドノ・サリム時代を思い起こす名前で、多分中国語系でゴールドを意味するので多くの企業が使っている言葉だ。
この会社はAlbert Maknawi 監査役会長、Henry Maknawi取締役社長でファミリーながらいくつか小型発電所を手掛けてきた経験を積んでいるようだ。

 

後は200MWとか5億ドルの規模がピンと来ないのでいくつか拾ってみた。

最近日本で出来た水力発電所は北陸電力新姫川第六発電は2万7900キロワットで、一般家庭の約2万8100世帯分に相当するそうだ。2万7900キロワットとは日本語の万を捨てて見て27,900,000Wだから28MWで、クンチャナの一番小さい発電所の規模と同格であることが解かる。

 

金額は幅があるはずで一般資料で64万円/KWと言うのがあったので、試算してみると¥640,000x 200,000KW=1,280億円となるが、差が出るのは64万円が日本の話だからだと片付けよう。

 

日本最大規模は、関西電力の奥多々良木発電所1,932,000kWらしいが6号機があるそうで単純平均すると1機は360,000KW、つまり360MWとなる。

 

ダムと言うとダムの高さだとか広さになるが、発電の命は発電機である。この関電では三相交流同期発電電動機 容量320,000kVA×4台と370,000kVA×2台である。kVAの単位はkWと変わるが力率は1とか0.8とからしい。

世界最大は三峡ダムでその歴史と言い、規模と言い想像を絶するものであるが、22500MWとか3兆円とかの数字をひろった。

昔は発電と言えば水力であった気がする。水力ダムの功罪も色々とあるのだろうが、人智が管理できる小型発電で環境、防災、産業、観光、生活に配慮した水力発電の招来を期待しよう。

 

追:日本の発電量に占める水力発電の割合は、7.58%で、世界ランキングの順位は17位、ランキングの1位はノルウェーの96.63%、2位はアイスランドの70.30%、3位はオーストリアの61.35%。世界平均は19%、無念!(国際統計格付けセンターより)
下の写真は2016年出版の竹村公太郎氏の力作、今度読んで見よう。