今さら 日イのはてな

「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

マイ・フェイバリット いとしあの星 満洋3部作

いとしあの星 馬車は行く行く


もう半世紀以上も経つのだろうか 子供の頃だったのだろうか歌っていた気がする歌を思い出そうとしたことがあった。それも、もう数年前になるが、何度かあったその時も思い出すのを諦めたメロディーであったが、先週思いがけず出会う事が出来た。それが“いとしあの星”という唄である。満州の歌姫 李香蘭の映画の主題歌の一つであったが、先にさっき読んだ資料から紹介しておくと映画は白蘭の歌と言うタイトルで李香蘭長谷川一夫主演で、満鉄の技師の長谷川と嘗ては富豪の満州娘の李香蘭は慕う合う中であったが何時か抗日のメンバーにされ仲を違えさせられるが、日中戦争が深まる中、戦場で出会った二人は誤解したまま抗日軍の爆弾に斃れると言う悲恋である。この映画の主題歌はメインが映画のタイトルと同じの白蓮の歌で歌は作詞:久米正雄、作曲:竹岡信幸で伊藤久男と二葉あき子のデュエットであるが、いとしあの星は作詞:サトウハチロー、作曲:服部良一渡辺はま子が歌っていた。 
この歌を思い出そうと探し回った時は李香蘭が歌っていたものとばかり思っていたが、権利の関係でこうなったようであり、またいとしあの星はいわばこちらがレコードで言えばB面の如く扱われていたようでもあり、それがあってか、中々会えなかったものである。先ずはこの歌いとしあの星 - YouTube を聞いて見よう。
歌っていたあの頃の情感が溢れる美しい曲だ。何時か帰郷した時にでも歌って見せて姉に確かめてみよう。歌詞は“馬車は行く行く 夕風に 青い柳にささやいて いとしこの身はどこまでも 決めた心は変わりゃせぬ”と言うもので、Youtubeでは昭和14年満州の街並みなど映像が楽しめる。
思い出そうとしたときは先ずは李香蘭満州姑娘がどうしても出てくる。“迎春花(インチュンホワ)が 咲いたならお嫁に行きます 隣村” などはいいが最後の “王(ワン)さん待ってて 頂戴ネ”と言う部分は好きになれなかった。これがあったからか次に出てくるのは高峰三枝子の南洋の花嫁である。“ ねむの並木をお馬のせなにゆらゆらゆらと。。。隣の村へ御嫁入り” これも好きな歌だったのでこれで「いとしあの星」を探すのは諦めすらした。
李香蘭の歌にはやはり 支那の夜、蘇州夜曲、夜来香、何日君再来、などなどあるが、この曲を探すのに李香蘭のアルバム30曲以上をあたり、かつこの日中合作映画『白蘭の歌』の映画も見た。この映画は『支那の夜』『熱砂の誓ひ』と共に「大陸三部作」と言われた国策映画であった。

そして今日は新たに白蘭の花と言うのか大正時代の白蓮事件と言われる本物の悲恋事件があったことを知った。複雑な当時の世相の中で貴族の頂点の家の娘柳原白蓮アジア主義大陸浪人筑豊の気風の炭鉱王に、天皇家の糸がかかるドラマは、時間をかけて読みたくなるのを振り払っての邂逅であった。