今さら 日イのはてな

「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

誰もが憧れのリッチで美人のメリ-ウイドウ

5月のマイ・ブログはマイ・フェイブリットの歌のシリーズとなった。
     5/9の愛しあの星 満南三部作、
     5/13のジャワのボレロ
     5/15のボレロに学ぶ、
     5/23の港シャンハイと書き綴った。
しかしこれより前の、いつの事だったのか実は喜歌劇メリー・ウイドウの曲が飛び込んでいたのだ。きっかけは判らないが私の音楽のフォルダーにドイツ曲があるので、Youtubeからのギフトだったのであろう。


あっ、このメロディーは聞いたことがあると、飛び込んで来た小片はその後、その何たるか、今日までわからずじまいであったが、多分ワルツ ”春の花の様に“ だろうか。

この喜歌劇は多くがYoutubeにアップされ日本公演の一つやドイツ語或いはフランス語・ラテン系のものとか色々見て来て今は頭の中はこのオペラの全曲が入ってしまったが、私のマイフェイバリトの3部作にのっとり、ここでも3部作を作るとせば、
     春の花の様にと
     ヴイリアの歌と
     唇に黙してと言うメインワルツの3っつとなろうか。

メリーウイドーは1900年代 フランツ・レハール作曲でドイツ語では Die lustige Witwe、英語は The Merry Widowという3幕からなるオペレッタである。花の都パリの貴族たちの青春を謳歌する姿に導かれて私もメタバースで狂乱演舞に入ってしまう。 

上の3曲がどこで出てくるかオペラのあらすじと共に紹介してみよう。私がベースにしたのは、45分程度の適当な長さのスペイン語La viuda alegre Hector Sanzanaだ。普通は2時間強のものだ。
La viuda alegre Hector Sanzana - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=y4mgml1ztkM&t=103s

 

La viuda alegre


一幕はパリにあるXX国の公使邸での国王誕生記念パーティーの場、一夜にして富豪となった美しい未亡人アンナを取り囲むパリ伊達男達に踊り抱えられるアンナである。そこへ伯爵ダニロが登場するが、彼はアンナがこの富豪と結婚する前の恋人だったが、伯爵家でもあり、諦めていたもので再会となる。この場でこの二人が歌い合うのがこの春の花:“春には花が咲きあでやかに輝くように”というワルツの小片ではないのだろうか(今も自信がない)
賑やかに皆と踊りつつ二人きりになっても惹かれあう気持ちを感じながら幕である。

 


2幕目はアンナの富豪邸でのパーティで賑やかな全男女の踊り、男達だけの踊りとか、一人の女を高く持ち上げる場面から静かなViljaの合唱から アンナが受け歌う 最後の高音部迄、歌いきる。
アンナは故国の歌フイリアの歌でお客を魅了したが、

Kimmy by Andre Rieu

この歌は別途オランダの有名楽団Andre Rieuに南ア出身のソプラノの名花Kimmy Skotaが歌う動画があり、こちらでは、泣き出す聴衆も多く圧巻であった。(彼女の数奇な人生がこの場面との前後は知らねどバックにあるのかも知れないが)
ともかく、この歌手が世界ベストである。

Vilja Song - YouTube

その後、伯爵や公使も入れた7人の男達の“女女女のマーチ”の唄、この手の賑やかな、ブラスバンド向きやマーチ、踊りの歌が全場面にちりばめられるが。。
場面代り アンナと伯爵 タップで夫人と二人だけのシーン、

Anna with Danilo

バイオリン弾きの静かな前奏曲からメインのワルツを歌い最後は接吻、又全員出演の合唱で第3幕につなぐ。

このスペイン語版では1/3に短縮されている分、私にはチンプンカンプンなので日本語翻訳付きドイツ語版で、筋の要点を拾っておこう。アンナが持つ遺産は2千万フラン、もし公使館スタッフのロションとかフランスの男と再婚すると、アンナの国と同じ公使のXX国の富がフランスに渡るのを何とか同じXX国のダニロ伯爵と結婚させたい公使がやきもき動き、展開される。ダニロはアンナと再会するものの、2千万フランの遺産目当てと思われるのが癪で、心惹かれつつ冷たくあしらう。
実際はダーメンバールと言われる女性がダンスのパートナーを選ぶ舞踏会でアンナはダニロを選ぶが、ダニロはアンナと踊れる権利を1万フランで売ろうと皆に持ち掛けるが、金を出すのは渋る男たちはこの場を去る。ロションのみ手を挙げるが、公使夫人に止められていた。ロションと夫人は隠れた浮気の中であったが、夫人は立場もあり半分煮え切らぬ。
ロションに口で愛の言葉を言われるのを嫌う公使夫人は持っていた扇子に愛の言葉を書いた後、二人置き忘れた扇子が、なんと旦那の公使の手に渡り、この浮気の相手探しのドタバタや、或いは、その後又夫人とロションとの四阿でのあいびきを着けられたが、どうした拍子かアンナが夫人の身代わりで四阿から出て来て夫人を助ける羽目になるが、結果アンナはロシュと結婚へと動かされるハプニングもありの一幕の後、ダニロは自棄酒で第3幕へ。

第3幕、ここはマキシムと言う踊り子酒場の場、にぎやかな男女の躍る中、チェフやボーイの動きも忙しい。乾杯し合い、男たちの棒を持った踊り、マーチ風楽曲の中、一人の美人(公使夫人だろうか)が現れ、またViljaのセレナーデが流れ、しなやかに踊るこの美人を高く掲げ、空中遊泳や男性たちの背中を階段にして降り立ち、又空中高く上げられ頂点でポーズ、(ひょっとしてこの美人はフイリア妖精かも)
その後太った男と女の唄、少し長いが退場を待ち、次は仮面の女の唄で全女性が舞い踊る。
We’re the Ladiesと言うのだろうか、或いは男達にお返しの男男男の歌とか、


最後はかんかんの踊りは大胆で圧巻、高く足上げ、パンツ丸見え、尻出し、乱舞 回りながら座る。時間たっぷりでこの間の歌曲メロデーもいい。

ステージが変わり アンナと伯爵二人だけに変わりランデブー、最後のメインワルツを伯爵が歌い、アンナがフォロー、ドイツ語ではRippen Schweig(唇は黙して)の、バイオリン弾きのメロディに 代わる代り、らーら・らーら ラーラ・ラーラと最後二人は熱いキス、
いつの間にか全員がステージに現れ、公使が扇子の話を披露するが、いつの間にか扇子は浮気の愛の言葉から貞淑な妻の言葉に変わっていたという事で破顔一笑、全員でRippenの唄で踊る花吹雪の下での大団円であった。

ドイツ語版から補足すると;ロションと結婚する気がないアンナは結局四阿の浮気の現場は公使夫人であったことを白状し、これを知った公使は離婚を宣言、公使は話がそうならと自分がアンナと結婚すればXX国の為になる(国は破産状態であった)と迫るが、アンナは富豪の夫の遺言は再婚すれば遺産の権利をはく奪だったと説明、公使もガックリ、そこで持ち込まれた扇子を良く見ると下に貞淑な妻の文言があり、疑った公使は妻に謝る。そして遺言の追記には再婚すれば遺産は再婚の相手に渡るという言葉が披露されて、“男は皆、女の虜になる”と言うような歌曲の中のハッピーエンドであった。