インドネシアの今の世代は、BIIと言う文字が解かるだろうか。バンク・インターナショナル・インドネシアという普通名詞だが、前世紀の全盛期までインドネシアの民間トップを占めたことがある、シナールマス財閥の銀行である。簡単な株主異動の歴史を見て見ると以下の通りで、
1982 Sinar Mas Groupの銀行として営業開始(銀行は、現在Bank Jasa JakartaとなったI.Widyadi氏から購入したもの)
1989 BII 上場
1999 金融危機で債務問題から国家機関BPPNの管理下乍ら、18%は継
続保有、名称はBII継続。Buy-Backも予定されたがアジアP&P不良
債権問題からリストラへ。
2003 BPPN からシンガポールTemasekが買収、BIIは存続。Temasok買
収の内容・経緯には、韓国国民銀などのコンソ入札やDanamon
との合併話等多くの曲折あり。
2005 Sinar Mas、Bank Shintaを買収しBank Sinar Mas発足・営業へ。
2009 マレーシアMaybankがTemasekからBIIを購入、Maybankに改称。
シナールマスも金融危機には太刀打ちできず、BIIを維持することが出来なかったことが解かる。その後の10年も名称はBIIであったがSinar Masの銀行としての全盛期は金融危機迄となる。当時の民間トップのBCAは国営に移ったと理解しているが、BIIの強力な競争相手であったDanamonも同じくBPPN支配下に移ったがその後も同じく2003年シンガポールTemasek グループに売却され、そして本年になってSMBCが購入することになったが銀行営業はDanamonで続いている事など同様な運命であったことになる。
BCAは2010年にDjarumが購入したはずで、それまで国営としてカウントした。
手元にある銀行ランキングを見ると、BCA迄4行に続く5位以下を少し見ると
2002年:5位Danamon、6位BII、7位~9位にPermata,Panin,Niagaであった。
2006年:5位Danamon 6位BII、
2010年:5位にCIMB-Niagaが入り6位Danamon、7位Panin、8位BII、9位Permataであった。
従いトップと言うと一寸語弊があったかも知れない。
しかし小生は、当時BIIクレジットカードを保有していたので1998年に解約のため、タムリンの銀行本社に行って、その立派さに驚いた事が印象が残っている。その後、Sinar Masが銀行経営に再参入することを認められ、現在はBank Sinar MasをこのThamrinのビルで経営している。Sinar Masとしては国内証券取引や消費者金融など手掛けるので銀行が必要でありBIIほどの巨大銀行でなくリテール銀行として手ごろなBank Shintaを買収したようだ。(1989設立、CPO 2010年、Shinta Utamが3%強保有、Tjendrawati Widjaja監査役会長)
BIIの名前は消えたであろうが、営業はMaybankとして継続されSinar Masも10数%保有していたが現在はない。本社はSentral Senayan III, であり、元のThamrinにはATMはあるのは当然だが、通りの裏手のBiliton通り側に支店などの設備を保有しているようだ。