先般、明治時代の着物姿の婦人が歩く街の景色が印象的と幾つかの映画を挙げたが、なぜかそのあと、そのような白黒映画がネットに登場してくるので、なんとなくリストを作ってしまった。
これら映画がつくられた時代は戦前の1930年から1940年代を中心とする頃である。
中には1921年制作の映画もあり映画の揺籃期で偶々インドネシアの蘭印映画史をブログしたことを思い出した。
http://jakartan.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-8127.html
エジソンが発名した1896年から実験期を経て早くも1910年には日本の劇映画時代となり、またこの1930年から1940年代は最初の黄金時代を現出した。
牧野省三、五所平之助、小津安二郎、溝口健二、黒沢明、成瀬己喜男、吉村公三郎、五所福之助、万城目正、菊池寛、、、と私の生まれる前の映画リストに忘れえぬ映画人たちが大勢登場する。
リストには田村家に連なる阪東妻三郎を代表とする阪妻チャンバラ映画や軍国モノは少し忌諱したので、例外をもって、少ない。
上品な美しい日本の女優はリストにリファー出来る。
この時代でも明治期までに磨かれた日本文化の気高さが、これら監督のメガフォンから吹き込まれその上にモダンな生活様式とマッチして描かれる。
モダンな洋装の女性が横緒に帽子をかぶっている姿は今の皇室の女性に比すもので、鷹揚で歯切れのよい男性の姿に両親の若い時代を重ね合わした。
映画を見ていて古い事でも良い方に感心することは有れ、まったく現代の目から見て違和感もなく、思わず引き込まれ又、当時の映画人たちの映画の一コマ一コマのコマ造りにも感心する。
未だこの中のいくつかを走りヨミしただけであるが次から次へとリストは増える一方だ。
優良番組は有料とは限らぬとなっておるような中での映画アサリであった。
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歌行燈; 山田五十鈴 花柳章太郎 成瀬己喜男 1943
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鶴八鶴次郎; 山田五十鈴 長谷川和夫 成瀬己喜男 1938
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旅役者: 山根久子 藤原鶏太 成瀬 1940
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愛国の花; 小暮美千代 佐野周二 佐々木啓祐1942
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簪かんざし; 田中絹代 笠智衆 清水宏1941
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美しき隣人; 水戸光子/笠智衆 三浦光子 1940
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婦系図; 田中絹代 岡譲二 野村芳亭1934
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支那の夜; 李香蘭 長谷川一夫 1940
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新妻鏡; 山田五十鈴 岡譲二 1940
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男性 対 女性: 田中絹代 上原謙 1936
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故郷: 夏川静江 坂東蓑助 1937
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愛の世界: 高峰秀子 菅井一郎 1943
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祇園の姉妹; 山田五十鈴 1936
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東京の女性; 原節子 1939
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東京の女: 岡田嘉子/小津 1933
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東游記; 李香蘭 佐野周二 1940
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女医の記録;田中絹代 佐分利伸 1941
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家族会議;高杉早苗 佐分利信 1936
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高原の丘;高峰三枝子 佐野周二 1942
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東京化粧: 田中絹代 1951?
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煉瓦女工: 矢口陽子 三島雅夫 1940 朝鮮っ子
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男の花道: 長谷川和夫 山根寿子 1941
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風の女王: 三宅邦子 奈良光枝 1938
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有りがたうさん: 桑野道子 上原謙 1936
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鐘の鳴る丘: 菊田一雄 佐多啓二 高橋妙子
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風の中の子供: 吉川満子 1937
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高原の月: 田中絹代
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蜂の巣の子供達: 夏木雅子 1948
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にごりえ: 淡島千景 1953
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雁: 高峰秀子 東野英二郎 1953
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豪傑児雷也: 牧野省三 1921
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噂の娘: 千葉早智子 成瀬 1936
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絹代の初恋: 田中絹代 1940
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噂の女: 田中絹代 1941
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暖流: 水戸光子 高峰三枝子 佐分利吉村 1939
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新女性問答: 桑野道子 水戸光子 1937
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新道: 田中絹代 佐野周二 菊池 五所福之助 1936
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女人哀愁: 入江たか子 成瀬 1937
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人妻椿: 上原謙 1936
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何が彼女をそうさせたか: 高津慶子 桑野道子 サイレント 鈴木重吉1930
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浮草物語: 坂本 飯田蝶子 小津 サイレント1934
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女優と詩人: 千葉早智子 成瀬 PCL 1935
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浪華悲歌: 山田五十鈴 望月憲二 1936
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みかえりの塔: 笠智衆 三宅邦子 1941
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恋も忘れて: 桑野道子 佐野周二 清水宏 1937
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淑女は何を忘れたか: 栗島すみ子 桑野道子 坂本武 小津1937
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愛妻物語: 乙羽信子 宇野重吉 新藤兼人 1940
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雄呂血: 阪東妻三郎 牧野省三 1925
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東京の合唱: 八雲恵美子 岡田時彦 サイレント 小津 1931
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マダムと女給: 田中絹代 五所平之助 トーキー 1931
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陸軍: 笠智衆 田中絹代 木下恵介1944 野菊の如き君なりき 1955