今さら 日イのはてな

「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

Samin Tan の夢のあとさき

 

富豪リストの見知らぬ名前のSamin Tanの切り抜きを持っていたが、どうも汚職事件に汚れていたので打ち捨てていた。正月休みに思い直して、サスペンス物の方がTVなどと同じく一般受けするものだとまた取り上げる。 但し事件モノは複雑で読み解く作業に比し得るものは少ないのでネットで目に付いたことを書きつける。

まず富豪リストでは、Samin Tan は資産US$ 940 百万でBorneo Lumbang Energi社のオーナーで46歳の彼は、石炭事業の成果を享受している。Bumi Plcの23.8%の所有権を8兆5,000億ルピアで購入し、Aburizal Bakrieの資本増加を支援した。ルネッサンス・キャピタルのオーナーでもあると、紹介している。2011年のことであった。 

会社名にBorneoとあり、スハルトの宮殿Bina Graha側のjl.Veteranにあった某茅屋を思い出したが二つを繋ぐよすがはもうない。

 Borneo Lumbung Energi社とはPT Borneo Lumbung Energi dan Metal Tbk (BORN)のことで上場しているので勇気が出てきたが、上場データを見に行くとなんと2020年に上場廃止になっている。

微かにいくつかのデータは残っており本社はMenara Merdekaの 30th floor で住所はJl. Budi Kemuliaan I No. 2 とある。

 


この住所は記憶があり、記憶を辿ると中銀の周りをうろついたとき、インドサットのビルと観光省のビルの後ろにビルが完工しており、こんな所に高層オフイスビル建設がと、驚きつつ聞くと守衛がバクリーのものとか答えてくれた。(ジャカルタ新旧あれこれ;ムルデカ・バラットのビル: ジャカルタ新旧あれこれ (cocolog-nifty.com))2012年12月24日のことであった。

 

 

本社が最上階にあることから、このBorneo Lumbung会社が保有していると推定できるし、あの当時はBakrieの所有であったかもしれないが現在のBakrielandの所有物件リストにはなく売却・転売されたものと思う。

上場廃止の直前にその理由・いきさつが推定できる記事があった。2019年6月28日付の報道によると、インドネシア証券取引所(IDX)は、現在取引停止が続いている採炭会社PT Borneo Lumbung Energi & Metal(BORN)社に対して、近々上場廃止にする可能性があると明らかにした。BORNのオーナーSamin Tan氏は、国会議員に賄賂を贈った疑いで、汚職撲滅委員会(KPK)によって容疑者に認定されている。さらに、鉱業事業契約(KK(COW))を担保に銀行融資を受けたためCOWを取り消されるなど一連のトラブルで石炭生産ができなくなり、業績が悪化している。IDXの取締役I Gede Nyoman氏は、「上場廃止の決定前に企業業績の最終評価を実施する。事業を改善できるよう該社に最後の機会を与える」と述べている。

結局赤字が続き、監査済報告書未済の5年間サスペンドの後の2020年に上場廃止となったがKPKの汚職事件の方は2021年9月に無罪になっている;そうすると罠にはめられ、起訴はされて会社はめちゃめちゃにされたが身柄は解放されたという話になるが、本当に損して終わる話があるのかと経緯を見ることにする。

Samin氏のBakrie Groupとの提携は、彼の会社、PT Renaissance Capital AsiaがPT Bumi Resources Tbk (BUMI)がインドネシア最大の炭鉱の一つ、PT Kaltim Prima Coal (KPC)の買収(子会社化)を支援した時2003年に始り、そのあと、PT Bumi Resources Tbk (BUMI)の株式を保有していた会社、Bumi Plc(ロンドン証券取引所に上場)の会長を務めた。

2006年にPT Republik Energi & Metalを設立し、当社はPT Borneo Lumbung Energi dan Metal Tbk (BORN)の59.5%の持分比率で筆頭株主でもある。

同年、PT Borneo Lumbung Energi dan Metal Tbkの設立し以降、AKTなど子会社2社をもつ6920万トンの石炭埋蔵量を背景に鉱業と石炭の事業を拡大し、2010年に上場し2011年にはフォーブス誌によってインドネシアで最も裕福な40人の男性に選ばれている。さらにSamin氏は金採掘に従事するBUMIの子会社、PT Bumi Resources Minerals Tbk (BRMS)の取締役社長も務めた。2012年、SaminはBambang Suryo Sulistoの後任としてBUMIのコミッショナーに任命された。 Samin氏はBumi Plcの別の子会社、PT Berau Coal Energy Tbk (BRAU)のコミッショナーも務めた。

2012年に彼はBumi plcの役員提案に関しRothchild と意見合わずRothchild は出たようだが、2013年、Bumi PlcはBakrie Groupとも正式に袂を分かち、BUMIの株式の29.2%を売却させた。当時、株式の売却額は5億100万米ドルの額目値に達しました。このSaminとBakrieの決別で、バクリー家の借金問題を助けることさえできた。

これでBumi Plcの株式所有は倍増47%支配することになる。Bumi Plc自体は、当初はナット・ロスチャイルドとバクリー家によって設立された会社だった。

 

これがバックにあるが冒頭のSamin Tan氏のKPK汚職の話はあまり大勢に関係はない。

KPKのケースは2019年2月に子会社PT Asmin Koalindo Tuhup (PT AKT)のCoal Mining Company (PKP2B)契約解除における贈収賄疑惑事件の容疑者として名前が挙がった

彼は、2014年から2019年にかけて下院第7委員会の副委員長であるエニ・マウラニ・サラギ(Eni Maulani Saragih)議員に、PKP2Bの契約解除のために50億ルピアの賄賂を贈ったとされている。この贈収賄疑惑は、AKTとエネルギー鉱物資源省(ESDM)との間の石炭採掘権作業契約(PKP2B)の終了に関連しています。PKP2Bは、AKTに中部カリマンタン州ムルンラヤ県で40,000ヘクタール(ha)の面積をカバーする石炭採掘活動を実施する許可を与えていた。

所在不明なためか、2020年からKPKの指名手配リスト(DPO)にも掲載された。2021年4月、サミンはついに汚職防止局に逮捕され、ただちにジャカルタのKPK拘置所に拘禁された。検察側はサミン氏に3年の禁固刑と2億5000万ルピアの罰金、6カ月の禁固刑を求刑した。しかしサミンが贈賄を犯したことが証明されていないこと、また謝礼を与える行為は、法律、汚職の犯罪行為の撲滅に関する2001年の法律第20号によって規制されていないと推論し、「規制されているのは、それをKPKに報告しない公務員であるとした。「謝礼を受け取ることの違法性は、贈与者ではなく、受取人にある。違法な態度は受取人に示され、これが謝礼と賄賂を区別するのが法である。この事件に関しては、2019年3月1日、Eni Saragihは懲役6年、2億ルピアの罰金と2ヶ月の禁固刑を言い渡された。 

 

したがって彼の人生においてこの 50億の謝礼は何の問題ともないが、Bumi Resource、Kaltim、Arutminを所有したBumi Plc(あと名前を変えAsia Resources Minerals)自体が London Stock Exchangeにはすでにないが、それらはインドネシアにBakrieの手元、近くにある。

KartimとArutminはBume Resource の下にありBumi Resorcesの株主の本当の株主或いはその所有割合は不明である。Bakrieの勝利となった話だったような気もする。

サミン・タン氏は;

1986年にタルマネガラ大学で会計学の学士号を取得しました。その後、1987年から1998年まで、公認会計事務所KPMG Hanadi Sudjendroのパートナーとしてキャリアをスタートさせました。その後、1964年にリアウ州テルク・ピナンで生まれた男性は、1998年から2002年にかけて会計サービス会社のデロイト・トウシュに入社しました。

とだけかかれている。Samin Tanと検索掛けて読み進むも18頁までKPKに逮捕され無罪となったニュースのみが品を変えタイトルを変えて、出てくるだけで彼自身の whereaboutsも分らない。 この原稿も没にすることを考えたがその間に掴んだ上記BUMI関連ニュースメモのいくつかをそのまま載せておく:

 

 

  • 取引の中心となったボルネオ炭鉱は、かつて世界的なエネルギー企業であるリオ・ティント、BP、BHPビリトンが所有していたが、2001年と2003年に、ナショナリストからの圧力に直面して、その資産を地元の利益に売却するよう圧力を受けた後、バクリ夫妻に売却された。

  • スタンダードチャータードは当初、2011年後半に当時のBumiの8%の株式を購入するため、Tan氏が支配する炭鉱会社PT Borneo Lumbung Energi and Metalに10億ドルを貸し付けた。これは、その年のアジアの銀行による単一の最大の引受ローンでした。その融資はPT Borneo Lumbung Energi and Metalの資産及び様々な事業会社の株式を担保にした。

  • インドネシアのバクリー家は、ロンドン上場の鉱山会社ブミ社に10億ドル(6億1600万ポンド)を投資し、バクリー・グループを債務不履行の危機から救った実業家サミン・タン氏との分裂の可能性に直面している。

  • Bumi Plcが29%の株式を保有するインドネシアの石炭生産会社PT Bumi Resources Tbkへの金融不正に関する調査を開始して以来、BakriesとTanの間の緊張が表面化している、とロンドンとジャカルタの事情に詳しい半ダースの情報筋は語った。

  • この亀裂は、Bumi Plcの取締役会を揺るがす最新のもので、共同創設者のナサニエルロスチャイルドは、昨年、インドネシアで最も裕福で、最も政治的につながりのあるバクリー家と衝突した。

  • 取締役会での争い、不正行為の疑惑、石炭価格の下落により、2010年の設立以来、株価が90%下落している。

  • 情報筋によると、バクリー家はタン氏が、ヘッジファンドのベテランで、ブミ社の12%の株式を保有するロスチャイルド銀行家の末裔であるロスチャイルド氏と同盟を結ぶのではないかと懸念しているという。

  • その事業体はインドネシア第5位の炭鉱会社、PT Berau Coal Energyの85%を所有し、Bumi Resourcesの株式も所有している。

  • Bumi Plc はその間にAsia Resources Minerals(ARMS)に改称している。

  •  スタンダードチャータードとライファイゼンに10億ドル近い返済を支援するために、AEMSの株式の全部または一部を含む資産を売却する交渉を行っている。

 

結論無き2024年の始まりであった。