今さら 日イのはてな

「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

お世話になりました。Paiton

日本のTVで、神宮だったか野球場の広告にJERAの看板がやたら目に付いていたが、インドネシア発ニュースにこれを見て、驚いた。JERA とは東京電力中部電力の火力発電所の協業体であるが、インドネシアのパイトン火力発電所の持ち分も持っており、これを売却すると言うニュースがあったのだ。

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Paiton Farewell


 

火力発電でも石炭火力発電は、排出するCO2が問題となっており、この発電所を処分する事としたもので、JERAは、とやかく問題の原子力も切り離し、日本の火力電力の5割を押さえる事業体を編成し、その中で、脱炭素の発電をめざすしている。

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Jera 碧南火力

首相が遅まきながら2050年10月26日にカーボンニュートラル温室効果ガス排出の実質ゼロ:CO2 排出量ゼロ:ゼロ・エミッション)を宣言したその前に、このJERAは、それに先駆けた10月13日、その宣言を打ち出し、その一つであるアンモニア発電や水素発電を目指す碧南発電所を試験操業していた。国際的な動きとしてSBT(Science Based Targets:科学と整合した目標設定とは、パリ協定の水準に整合する、企業における温室効果ガス排出削減目標のこと。)プログラムの一つの動きである。

このパイトン火力発電所の株式は三井物産も持っており、こちらはJERAの発表の前、この6月中旬に三井物産も全株式売却すると発表したニュースもあった。

 

パイトンと言えばスハルト末期から、まずは商社のPLN・パイトン詣りが賑やかであった時代を思い出す。ようやくインドネシアの発展から、国営電力会社PLNの一社態勢に不安がおこり、10,000MW増強対策や民間発電事業者(IPP)政策が喧伝され、多くの企業が手をあげていた。

その一つが、大手エネルギー会社メドコが主導するスラバヤの南プロボリンゴに建設したパイトン火力発電所会社(Paiton Energy社1994年設立)でその発電所パイトンI (PLTU Paiton 1: 2 x 615 MW)、パイトンIII(815MW)がある。パイトンII(2x610 MW)は別会社組織か。


このパイトンIやパイトンIIIに三井物産やJERAが参加したのである。

断片的ながらパイトンIIIの報道では「出力80万キロワット級の石炭火力発電所を建設し11年から30年間にわたってPLNに電力を販売する基本合意書を締結した。総事業費は10億ドル(約1,140億円)を上回る見通し」と報道されていた。

 

これを書きながら、この売却で日本の両社とも、大きな利益を上げたことだろうとか、去るに際して礼を尽くしただろうかと思い、JARAが野球場にも広告する意味を探ったりしたが、又ジャカルタのジャパンクラブへの登録はPT Paiton Energyでのみ行っていたことを知った。

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