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「ジャカルタ新旧あれこれ」の合間に

ASABRIを追う、その1

ASABRI Jl. Sutoyo Google



汚職事件で、ASABRIの名前は幾度見たろうか。2012年頃からの話で今も続いている気配があり、これだけ持てはやされていて、自分は持て余しているのも癪だから、事件の一端を覗いて見よう。知っているのは、まず、これより先に出て来た事件は国営生保Jiwasraya汚職事件で、これと何か関連をもって発生したかのような事件で、また普通に想像する2者間の現金贈収賄事件と言うより、インドネシアの場合は国家に損害を与えて利得を得る事件が多く、トリック仕掛け人と見ぬ振り・手助けする公務員が主役となるケースが多い。

ASABRIの場合、この国家損害は23兆ルピアとなるが、この上を行くのはDarmadi事件の78兆ルピアがある。小生はインドネシア・ビジネスエクゼクティブ・シリーズで多くの富豪を取り上げるが、時々知らずに汚職犯罪企業を取り上げてしまう事が多いので注意が必要だ。

どの事件も全貌を解説したものがないので、少しずつ崩していくしかない。

23兆とは簡単に言えば2,300億円であるので、一寸想像が出来ない数字だろう。

先ずは手元にある未だ進行形のニュースから見て行こう。

この9月26日、Nusantaratv.com によるとEdward SoeeyadjayaがAsabri事件で起訴されたニュースで、エドワードと言えば元アストラの御曹司であった記憶があり驚きだが、彼はOrtus Holding やGolden Hill Energy Fund及びSunrise Assetsの創設者になっており、またSUGI社の株主である。 

この汚職事件では同時にPT Sinergi Millenium Sekuritas のKomisaris Utama であるBetty Halim が起訴されている。

他にSekawan Inti Pratama 投資会社の監査役Rennier Abdul Rahman Latief (RARL) も同様である。つまりは仕掛け人が3人3様あったようである。

ASABRIとはPT. Asuransi Angkatan Bersenjata Republik Indonesia (インドネシア国軍兵士保険)の株式や投資信託を運用する当事者でもある。

このASABRI側の人間は社長の Adam Rachmat Damiri (2016年3月迄)と, Sonny Widjaja(2020年8月迄)や、Bachtiar Effendi、 Hari Setianto、 Ilham Wardhana、 Bilang Siregar達の役員連が登場する。

EdwardはBettyと語らい、2012年に、 PT ASABRIの役員連と会談、SUGI(PT SUGIH ENERGI, Tbk)の株式の売買計画の話をし先ずBettyが1株売れば同株の2株を差し上げる約束でEdwardはBettyに売却を依頼した。

SUGIの株主でもあるBettyはその後、ノミニー間取引でSUGIの株価を挙げる計画であった。

BettyはMillennium 投資信託のノミニーからFree で2,500億株を得てBettyはこれを高値でASABRIに売却、株価はその後当然に下落、株価下落したASABRIはSUGI株をポートフォリオから、4つのミューチュアルファンドに購入価格のまま移し、一部残っている株式はTricore Kapital Saranaの買収(カットロス)の下で売却された。

一方BettyはBettyで2014年から2017年迄ASABRIのIWSを通じて、Bettyの会社BCIPを、下落すれば何とかする約束で当事者の合意の高値で直接或いは投資信託経由・名義で買わせた。2017年BCIP株式が価格下落に見舞われたとき、又ミューチュアルファンドに買取価格以上の価格で移行させた。

3番目のSIAP社の Rennier Abdul Rahman Latief (RARL)は2008年にSIAP社のIPO を計画、2014年には限定一般公募を行い、以来Fundamental Resourcesが99.7%保有する事となった。RARLはSIAP やMining Coal (IWBMC)の実質的オーナーで限定公募の後、ファンダメンタルズ・リソーシズが、PT Evio Securitiesに無償(DFOP)の引き渡し指示書を添えて、それに関連する当事者に株式を譲渡した。SIAP株の売買取引は、PT Evio Securitiesを通じてレニエ・グループのメンバーの間で行われるため、株式のバイニットアップbinit upと、株価に動きがあるかのような洗浄セールwash saleであった。SIAP株式は、2014年9月24日と2015年2月6日にIDXによって一時的に停止されたため、SIAP株式は実際に投資する価値がなかったものである。ASABRIは2014年から2015年にかけて、投資部門によるPT SIAP株式の購入に関する分析は行わず、交渉市場を通じてRp 170 /株からRp 415までの価格で購入したがこれも後に下落し損失をもたらした。

PT BCIPの現在の監査役会長はベティ・ハリムの義理の父であるTahir Ferdianであり、BCIPの社長はBettyからにEdward Halimに代わっている。

BCIPはタンゲランにMillenium工業団地(1,800ha)を持ち、最近は利益を挙げつつあり時価総額900億ルピアである。

今日はここ迄としよう。 としたが、筆が進む。

ASABRI事件・リクルート事件から現代日本

日本では最大の汚職事件はリクルート事件であるが、インドネシアのASABRI事件とは、株を操作した点は少し似ているが日本の場合は損を被ったのは一般個人である事が多く、リクルート事件で利得を得た政治家など多くが今もぬくぬくしているのではないかと疑念がわく。リクルートはそのまま存在しているのかな。

それでも、政治家で更に銅像を建てる話はないと思うが。。。

しかし時々、政界・TV界などで何かに洗脳されているような事件や人間が出て来て驚くことは多い。

例えば韓国発の何とか団体が洗脳の代表だ。 忖度・選択肢に次ぐ報道界が好む流行言葉である。

インドネシアと長く付き合った小生には、宗教・信教とは政府が認めた5つ(6つだったかな)だけであって、この例えば三位一体の神に比す存在に生身のものが神を騙るなど国家反逆罪・冒とく罪も伏す大罪である。

生き方や苦悩・煩悩の中を生きる知恵・言葉はそれ自体が崇高だが宗教ではない。

憲法がスタートであってはならない。その奥から、或いはゼロから真のあるべき点から現在の在り方を考えることだ。今の國が選ぶ専門家はそれが出来ないだろう。 

専門家は専門分野の壁に助かって生きている、巣くっているともいえる。

一人さんなどに聞いて見ると良い。多くの人が感涙をながしている。そして皆税金を払って堂々と生きている。

話しは飛ぶが、TVは色々な事件事故を報じるが、伝える事だけが仕事であると言う制限的法律が壁になっている。そしてそのやっつける先は事故った、誤った個人である。

例えばバス横転事故では最初から現行犯逮捕と表現している。何か車の引き起こす現象があったという事は無視して、やっと今頃出てくる。

知床では、海難救助体制とか行政監督・支援体制とか、通信設備体制の不備・不徹底は問われないか、気付いた時はもう遅く何も改善されない。

個人の問題でなくその個人を生んだ社会の問題としての見方がない。元から断つという発想がないのだ。

小生は自分自身にこれを突き付けて悲劇の淵にたってはいるが。。