このブログでカーボンニュートラル・シリーズは9本も書いてやっと発電部門になったが、ここも個別の発電技術や新エネルギーに行く前にまず総発電量からいかねばならない。世界ランクの統計などはラフすぎるが、一つには日本の総発電量は世界2位の1兆257億kWhと言うのとあと一つ世界5位の9,362億kWhがある。後者はCIA 版らしいが此方の方が最もらしいので関心のある他の国の数字も挙げて置く。
1 中国(2013年):5,398,000,000,000kWh
2 アメリカ(2011年):4,099,000,000,000kWh
3 EU(2011年):3,255,000,000,000kWh
4 ロシア(2013年):1,057,000,000,000kWh
5 日本(2012年):936,200,000,000kWh
10 ドイツ(2012年):526,600,000,000kWh
11 韓国(2011年):485,100,000,000kWh
23 インドネシア(2011年):173,800,000,000kWh
次に日本の電源構成比の現在(2019年)と2030年の比較に発電量と部門別の需要予測などを見ることとする
電源構成 2019 2030 2030増減
水素 0% 1% +1%
再エネ 18% 38% +20%
原子力 6% 22% +16%
LNG 37% 20% -17%
石炭 32% 19% -13%
石油 7% 2% -5%
発電量 10,240 9,340
需要量 9,896 8,640 -13%
産業 3,646 3,310 -9%
業務 3,239 3,000 -7%
家庭 2,834 2,110 -25%
運輸 177 230 +30%
*日本の発電量に占める再生可能エネルギーの割合は、上記データソースでは4%程度で、世界ランキングの順位は25位、1位はデンマーク48%だった。国土が小さくとも伸ばせるはずだ。
38%の内訳は太陽光16%、風力5%、地熱1%、水力11%、バイオ5%である。素人感想では風力は太陽光に比べ小さい。どちらも面積を擁するので洋上が本命であろうが、何故その面積を太陽光と風力の同時利用はできないのだろうか。
地熱はインドネシアも火山国であるので、よく住友が地熱発電事業をインドネシアでやっているが、昔、日本ではなぜできないのだろうかと不審に思ったことがある。 いずれ調べよう。
*原発は東日本大地震前は54基稼働し30%を占めていたが現在は9基らしい。ウクライナで思うところありある程度の原発は必要だ。 ロシアに対する制裁でロシアの分を輸入ストップし原子力に振り替え、とりあえずは30%キープすべしだ。
*運輸は先の原稿の通り、本命は水素自動車であるが電気自動車も認める期間(特に2030年迄)は電源需要が伸びるはずである。上記で運輸部門だけ確かに需要が伸びている。トヨタのトップも以前すべてがEVに変わるとすると今の発電量の15%程度(つまりは9,896x15%=1,480億kWhか)増える見込みで、これは火力発電で20基とか言ったが、だから一肌抜ごうと言う気があったのかな。そして上記の運輸の増加はほんの53億kWh である。
*上記政府のプランの需要見込みは現在の9,396kWhが8,640kWhと下がるのは一番は省エネであるはずだがむしろ人口減やGDP減の事がリファーされているのが目に付く。2050年までに人口が126百万人が101.9百万人になるのでこの発電量はその人口減19%に連動するのか粗鋼生産、エチレン生産も15%前後減ることがベースになっている。
*発電量予測は国内の需要予測であるが、国内と言えど(製品)輸出の為の生産もあるはずである。或いは嘗ての重厚長大産業復権と国土再生、新産業とか未知数の前向き発電需要があるはずであるが政府のプランにはこれらを見ることはない。
*ここ迄でも全体から個別へのアプローチでも一矢乱れぬ整合性で対策が積み上げられていることは確認できた。最新技術の国際貢献や主体間連携、或いはカーボンクレジット・オフセットの仕組みが有効に機能していくことも期待できる。
こんな大きな発電用タービン?など未だ日本はジャンジャン作るはずだ